可能性を小さくしているのは自分自身
あなたの目標はどんなものだろうか?それは少し努力すれば達成できるような「スモール・ゴール」であったりしないだろうか?
もっと、もっと、うまくなりたいです。
イチローが日米通算3000本安打を記録したときのコメントの一部だが、彼の中の最高位の欲求であり、最大の動機は「もっと野球がうまくなりたい」ということである。
そしてそれは、「誰かよりうまくなりたい」という比較上の欲求ではない。あくまでも「自分はこうでありたい」という自己イメージへの達成意欲であり、自分の限界への挑戦意識なのだ。
そのような自発的な目標が達成されないかぎり、イチローが満たされることはないとも言える。イチローを一流選手に押し上げたマインドセットは、自己実現欲求に他ならない。
自己実現欲求に関しては、モチベーション論の権威である金井壽宏教授がこのように説明している。
自分らしさにかかわることからの納得感。自分の潜在能力を生かしきっていると考える喜び。一生懸命にやっていることが自分の成長に関わっているという感覚。がんばることで一皮むけつつあるという実感。これらがお金や昇進、昇給、他者からの承認とはまた一味違う、内面から生まれるご褒美になっている。
人からの評価とは別に、自分の内部に自然発生的にわいてくる達成感を追い求める行動習慣が、あなたを成功に導く最高のモチベーターになるのだ。
自己イメージを書き換える
「これくらいはできるだろう」「こうでありたい」と自分が自分に思い描くセルフイメージは、その人の能力を左右する大きな要素のひとつである。
心理学者のW・ジェームスは「人間は概して、その人間が思い描いたとおりの人間になる」と述べている。
半世紀ほど前まで、1マイルを4分以内で走ることは不可能というのが陸上界の常識であり、1954年にロジャー・バニスターがこの記録を破って以降、次々にその限界を破る選手が現れた事実は、私たちの能力に限界を与えているものが能力自体の限界ではなく、「それは無理だ」と考えるイメージの限界だということを物語っている。
いつまでもまだ上がある、こんなものじゃないぞ、と思っていたい。あいつはもうひと皮むけないと、と他人に言ってしまう人たちは、もう自分が完成した、と思っているからそんなことを口にする。僕はそんなふうにはなりたくないな、絶対に。
潜在能力を発揮したかったら、自己イメージを書き換えよう。自分を過小評価してはいけない。自分の描いた以上の夢を私たちは叶えることはできないのだ。
シマケン【依存脱出ナビゲイター】
自らが、酒・たばこ・ギャンブルなどの様々な依存を克服してきた体験をもとに、依存脱出の手段を多くの人に伝える活動を行っている。