イチローに学ぶ、一流の習慣づくり vol.32 ~あなたの子どもを不幸にしてしまう「呪いの言葉」とは~

あなたがまったく気づいていない大きな可能性とは

外交官などの専門職を養成する米国務省機関である外務職員局(FSI)が、英語を母語とする者が、日常的・専門的コミュニケーションにほとんど不自由のないレベルまでに外国語を習得するのにかかる期間を元に、各言語の習得難易度をまとめている。

その中で日本語の習得難易度は「習得が極めて困難な言語」であるカテゴリー3に分類されている一方で、日本国内における識字率は99%とも言われており、習得困難な言語を人口の多くが使いこなしているという現実が見てとれる。

世界の公用語とも表現される英語を使いこなす人々にとって、最上級に難しいと考えられている日本語であるが、あなたはその習得にどれだけの労力を割いたであろうか。

恐らく、知らないうちに自然と身についたという人がほとんどではないかと思う。

私たちは、世界でも有数な難しさを誇る日本語を、知らず知らずのうちに自然に身に付けてしまっている。その事実が物語っていることは、私たち人間に備わっている「環境適応能力」の素晴らしさである。

例えば、私たちは赤ん坊の時代から、自然にハイハイをし、つかまり立ちをし、そして歩くことを身に付けていく。もちろん、その過程における周囲の励ましや称賛が私たちを勇気づけてくれたことは間違いないことであるが、ハイハイから歩けるようになるまでの過程において、スランプを実感したり、出来ない自分と向き合ったりした人はいないはずである。

このことが何を意味するかといえば、語学を身に付けたり、歩けるようになったりする能力、いわゆる「環境適応能力」というものは、誰にでも備わっている全自動の成長システムなのである。

しかし、この全自動の成長システムを阻害するものがある。それはいわゆる「思い込み」や「勘違い」であり、日本人の多くが(日本語という極めて難解な言語を習得しているにも関わらず)、「自分にはできない」という呪縛を自らにかけてることによって、その成長システムの働きを制限してしまっているのである。

人間という動物は、変な知恵があるからいろんなものを生み出す代わりに、自分たちの可能性を縮めているように見える。

イチローがある雑誌のインタビューで触れた、「人間の知恵の及ぼす悪影響」についてであるが、「あなた」にはあなたが全く気付いていない大いなる可能性がある。けれども、その可能性を狭めてしまっているのが、他でもない、あなた自身の「思い込み」や「勘違い」であるのだ。

習慣を理解する

それでは、そのような「思い込み」や「勘違い」を手放し、「あなた」が全く気付いていない大いなる可能性のスイッチをONにするにはどうすればよいのだろうか。

その鍵となるのが「習慣化」と呼ばれるものになる。

「人は見たいように見る」という言葉を残したのは、ローマの名将ユリウス・カエサルであるが、この言葉は私たちの「習慣」が持つ自動操縦性について如実に表している。つまり、私たちはそれぞれの思考習慣に基づいて、物事を見たいように見るという本能を有しているのである。

もしもあなたが自らの「思い込み」や「勘違い」によって、「自分にはできない」と信じ込んでいたとしたら、きっとあなたが選択する行動は消極的なものであるだろうし、破滅的なものでさえあるかもしれない。

あなたが自らの「思い込み」や「勘違い」を手放し、新しい物の見方や考え方を手に入れたときに初めて、「あなた」という可能性のスイッチがONになるのである。

我々の直面する重要な問題は、それを作った時と同じ考えのレベルで解決することはできない。

この言葉はアルベルト・アインシュタインの言葉であるが、もしもあなたが抱えている問題や課題を解決したいと望むのであれば、あなたの思考習慣を変える必要性がある。

つまり、あなたが「見たいように見ている」現実を、違った角度から、違った解釈を用いて、「見る」という意識的な選択が重要になってくるのである。

「これでいい」と思っていたものが、「いい」と思えなくなってくる。それで、今度は「もっと、いい」ものをまた探し求めなくてはならない。この繰り返しなんですよね。でも、探し求めるということが面白い。これが、野球を続けられるモチベーションなんですよね。

天才打者イチローでさえ、自らの「思い込み」や「勘違い」の罠に陥りそうな瞬間はある。けれど、そこで停滞するのではなく、「見たいように見ている」自分を客観視し、修正を試みる。それこそがイチローの進化の理由であり、「習慣化」というものを理解した一流のマインドセットである。

習慣を攻略する

それでは自らの「思い込み」や「勘違い」から抜け出し、自らの人生に偉大なる力を手に入れる為にはどうすればよいのだろうか。

前にも述べたように、私たちはそれぞれが、物事を見たいように見ている。そのさまは、まるでそれぞれが自分色の色眼鏡をかけ、物事を見ているようなものである。

その色眼鏡が「お金」「肉体」「精神」「対人関係」「仕事」「遊び」など、それぞれのジャンルにおいて、望ましい結果をもたらすような「見え方」をしていれば問題ないのであるが、そうでなければその色眼鏡を変えなければならない。

それこそが「習慣を攻略する」ということであり、それができれば、あなたには素晴らしい未来が待っているのである。

もしもあなたが「今すぐに」、自らが望む結果に相応しい習慣を手に入れることができれば、あなたは人生の全ての部分を、自分にとって理想の状態へと変えることができる。

けれども、もしもあなたがかけている色眼鏡が不幸を引き寄せる「見え方」をしているにも関わらず、「今のまま」の現状維持を選択した場合、あなあたに待っているのは、間違いなく「堕落の人生」である。あなたが自らの習慣を変えない限り、あなたは必ず過去のパターンを繰り返してしまうからである。

例えばあなたが、「お金のことばかり考えているのは卑しい」という色眼鏡で世界を見ていたとしたら、きっとあなた人生がお金で潤うことはない。もしも瞬間的に潤ったとしても、そのままの「見え方」であれば、お金はあなたのことを幸せにはしてくれないはずだ。

そして、このような色眼鏡をかけているのは、実はあなたの両親の影響である場合がほとんどである。実はこの色眼鏡のパターン、親から子どもへと聞き継がれていくのである。

もしも、あなたの両親が持つお金に対する考え方が「お金は人生を自由にそして豊にしてくれる大切な道具である」というものであれば、あなた自身も自然とその考え方を身に付け、それに相応しい状況を実現させていく。

お金だけではなく、あらゆる物事に対する「見え方」のパターンは親から子へと引き継がれていく。どうせならもっと幸せになるパターンを子どもたちに引き継ぎたいと思わないだろうか。

僕はがあんこで絶対に口をきかない。父もそんな僕に黙っている。でも、毎日の野球の練習はあるのでコミュニケーションをとらないわけにはいかない。トレーニングを始めて3ヶ月ぐらい経ったときだったかな、その日も僕はむくれていたんですが、父がそんな僕の足の裏を黙って揉んでくれたんです。結局それも習慣になって、名電高の野球部の合宿に入るまで毎日続けてくれました。僕が父親になって息子を持ったとしても絶対に同じことはできないと思いますよ。

少年時代の父との練習を思い出し、イチローが語ったことばである。

もしもあなたが親であるなら、子どもとの時間を大切にしよう。そしてそこにあるあなたの色眼鏡を理解し、もしもそれが望ましいものでなければ、それを子どもに引き継がせないように注意をしよう。

子どもが持っている真っ白で無垢なカンバス(眼鏡)は、何色にでも染まっていく可能性がある。そしてその色に応じた人生が、自動操縦的に作られていく。

あなたが子どもに引き継ぎたいものを引き継げるように、あなたの「習慣を攻略」するのだ。

■ 執筆者情報

シマケン【依存脱出ナビゲイター】
自らが、酒・たばこ・ギャンブルなどの様々な依存を克服してきた体験をもとに、依存脱出の手段を多くの人に伝える活動を行っている。


 

目標を決めても、すぐに諦めてしまう
二度寝グセが直らない
重要なこと、返信も、ついつい後回しにしてしまう
翌朝早いのに、ボケーっとテレビ見て夜更かし
ダイエット中なのに、甘いものをやめられない

 

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