イチローに学ぶ、一流の習慣づくり vol.31 ~「趣味を仕事に」することがいけない理由とは~

昔話ではなく夢を語ろう

現在のキャリアに不安や不満を抱え、転職したいと悩んでいないだろうか。または転職したいと思っていても、何から始めればいいのかわからず、悶々とした日々を送っていたりしないだろうか。

一般的な感覚として、転職は簡単に決められるものではないだろう。だからこそ、悩みすぎて身動きが取れなくなることもある。

2000年11月10日に、日本人初のポスティングシステムによってシアトル・マリナーズへ移籍をしたイチローは、そこから2012年までの11年に渡りマリナーズ一筋でプレーを続け、2012年の7月23日、2対1のトレードでニューヨーク・ヤンキースへと電撃移籍をすることとなる。

2011年にメジャー移籍後10年連続で達成してきた、打率3割、200本安打、そしてオールスター出場が途切れたイチローであったが、翌年のシーズンでも成績は思うようにならなかった。

マリナーズのユニフォームを脱ぐことを想像すると悲しみでいっぱいになりました。本当につらい日になりました。

マリナーズでの成績が思うようにならないなか、イチローは重大な決断をする。それがヤンキースへの移籍志願である。当時イチローの代理人をしていたトニー・アタナシオによれば、電撃移籍の数週間前にイチローは、マリナーズの球団トップに対して「自分のトレードを検討してほしい」と打診していたという。

いろんなことを考えるなかで、ネガティブなこともたくさん考えました。「ノー」というと、ネガティブな挑戦がそこに待っている。ただ「イエス」と言えば、凄く前向きな挑戦が待っている。どっちを取るかという迷いはない。

マリナーズからの移籍について、イチローとはいえ、そうとうに迷ったはずである。しかし、彼は挑戦のタイミングを見過ごすことをしなかった。

何かを成し遂げる人とそうでない人との決定的な違いがある。何かを成し遂げる人は未来志向であり、そうでない人は概して過去のことに心を囚われてしまっている。

もしもあなたが今の自分の状況に不安や不満を抱いており、何かを変えたいと強く願っているのであれば、とことん未来への夢を語っていこう。「昨日は・・」ではなく「明日は・・」で会話を始めることを心掛け、これからやってくる未来について熱く話しをするのだ。

その気にさえなれば明日は変えられる。転機が訪れたにもかかわらず、迷ったためにそのタイミングを逸してしまったら、必ず悔いが残るはずである。迷ったときは潔く現状維持を捨てて、新天地を選択する。それこそ人生に悔いを残さない一流のマインドセットである。

新天地があなたを輝かせる

最後のアウトを取るまで、(レッドソックスは)嫌なチームという印象。(27日の)3時間20分の試合は普通、長い印象ですけど、それを感じなかった。それで、思った。勝つということに集中していることが大きい。明確な目標があるからなのかもしれない。

2017年7月27日、イチローは、ヤンキースタジアムでの対レッドソックス戦に、「8番・右翼」で、移籍後初の本拠地の試合に出場する。

イチローが長く在籍したマリナーズとは違い、ヤンキースは「常勝」を義務付けられたチームである。ヤンキースという優勝を争うチームでプレーをすることによって、イチローの集中力はさらに研ぎ澄まされていった。

もしもあなたがもっと飛躍をしたいと願うのであれば、自ら願い出てより厳しい現場に飛び込んでいこう。それによってあなたの集中力は自然と高まり、あなたの潜在能力の扉が開かれる。

この空気は想像通りだよね。想像通り。やっぱりかという感じですね。プレーのなかに捨てられるものがないという印象です。常に集中して動かないと、1個のフォアボールがものすごく大きくゲームを左右する。塁に出るだけでそういう可能性が生まれる。特にこの球場では、野球はちょっと違うなと思います。それはこのチームがずっと背負ってきた宿命がそうさせているんでしょう。

より高い次元に自分の身を置くことによってのプレッシャーこそが、あなたの才能を目覚めさせてくれる。憧れやワクワクといった感情によってモチベーションを高め、自らの才能を引き出すことに挑戦していこう。

挑戦の捉え方

何か新しい挑戦をする際、成功することだけを考えているのか、それとも、失敗を避けることに集中しているのか、この2つの考えには、非常に大きな違いがある。

挑戦をどう捉えるか、それがあなたの行動を大きく左右する。ある調査結果によると、「失敗の回避」を目指した場合、逆にあなたが失敗する可能性は高くなるというのである。

それでは成功することだけを考えていれば良いかといえば、そうでもない。それだけでは適切なリスク管理を怠ってしまうことにもなりかねない。新しい挑戦を行う際の重要なマインドセットとは「よりよい失敗」を志すということである。

みなさんはこの数字をすごい数字だとお思いでしょうが、僕にはまだ6割以上の打ち損じがあるという思いがあります。これを少しでも減らしていくのが、これからの課題です。

当時若干20歳、イチローが初めて首位打者を取ったときの言葉である。1994年のシーズン、イチローの打率は385という驚異的なものであったが、イチローは首位打者という成功ではなく、6割以上ある失敗により強く意識を向けていた。

失敗を後悔するのではなく、失敗の中にだけ含まれている可能性を見つけ出そうとする習慣、6割以上の失敗の中に隠れている飛躍の可能性を追い求める習慣、そのような思考習慣をもっていたからこそ、イチローの進化は止まることがなかったのだろう。

ビジネスの世界においても、失敗なしで大きな仕事を成し遂げることは不可能なはず。成功への到達可能性と失敗の数は正比例するものである。もしもあなたの現在地が成功者でないと感じるのであれば、それはあなたの能力が欠如しているのでも、努力の量が不足しているのでもない、「失敗の数が少なすぎる」、そのように考えてみよう。

簡単に言えば、失敗とは挫折や萎縮の材料ではない。より前へ進むため、より上へ伸びていくためのポジティブな材料なのである。

趣味を仕事にする可能性も考えてみる

世界でいちばん幸せな人は、自分の大好きなことを毎日やっている人かもしれない。そういう意味で、趣味を仕事にしている人はとても幸せなはず。たいていの人は、趣味は趣味、仕事は仕事として最初から分けてしまうだろうし、「仕事じゃないから、趣味は楽しいんだ」という人もいることだろう。

でも、好きなことには一生懸命になれる。アイデアもわいてくるし努力もいとわない。それを仕事にしたら、きっと成功する確率ははるかに高くなる。

野球を趣味か、仕事か、と聞かれれば、ぼくの場合はかぎりなく趣味に近いです。

仕事を単なる報酬獲得の手段として考えてしまうのは、あまりにもったないことである。あなたが人生の非常に多くの時間を「仕事」というフィールドで費やす以上、そこに楽しみや喜びを見い出すことができないのは、とても悲しいこと。

昔であれば、自分の店を持つというのは大変リスキーなことであったが、いまはネットショップを開く程度のことであれば、他の仕事をしながらでも実現ができる。最初から本業にしようとするのではなく趣味を副業にして、それがうまくいけば仕事にできる可能性も高くなる。

実際に、会社員でも個人の名刺を持っている人たちもたくさんいる時代。それが発展し、楽しみや喜びを見い出すことのできる仕事になっていく可能性だってある。自分の大好きなことを仕事にできる可能性を考えることは、これからの時代には必要不可欠なこととなっていくことだろう。

無理のない程度で、まったくやったことのないことにぜひ挑戦してみよう。「趣味を仕事に」という考えは、人生は楽しむためにあるということを思い出してもらうため。日常の忙しさに埋没してしまうと、何のための人生か忘れてしまいがちになる。あなたが夢中になれるものを見つけ出し、素晴らしい毎日を手に入れよう。

■ 執筆者情報

シマケン【依存脱出ナビゲイター】
自らが、酒・たばこ・ギャンブルなどの様々な依存を克服してきた体験をもとに、依存脱出の手段を多くの人に伝える活動を行っている。


 

目標を決めても、すぐに諦めてしまう
二度寝グセが直らない
重要なこと、返信も、ついつい後回しにしてしまう
翌朝早いのに、ボケーっとテレビ見て夜更かし
ダイエット中なのに、甘いものをやめられない

 

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