マーク・ザッカーバーグの場合
FaceBookの創業者でCEOのマーク・ザッカーバーグ氏は、プレゼンテーションを行うときでも、取材をうけるときでも、いつでも地味なグレーのTシャツを着てあらわれる。
2011年には「シリコンバレーのワースト・ドレッサー」に選出されているほど、服装のセンスがないというのが、マーク・ザッカーバーグ氏に対する一般的な見解となっている。
この点について、マーク・ザッカーバーグ本人は、次のようにコメントしている。
「くだらないことに時間を使うのは無駄だから」
それに加え、「服装を選ぶのに無駄な労力を使うくらいなら、その分のエネルギーを仕事に費やしていたいので、いつも同じTシャツを着ている」と説明している。
マーク・ザッカーバーグによれば、自分のこの考え方はスティーブ・ジョブズやオバマ前大統領の哲学に通じるものがあるとのことである。
黒澤 明の場合
「世界のクロサワ」と呼ばれ、世界の映画界に今なお影響を及ぼしつづけている映画監督、黒澤明さんは完璧主義者として知られている。
映画のセットは本物と同様にし、映画に出演する俳優には何度も稽古をさせ、登場人物になりきることを要求したという。
また、10秒のシーンの撮影に6時間を要したり、撮影に邪魔だった2階建ての住居を撤去させるなど、常に完璧を求め続けた。
そんな黒澤監督には、少し変わった習慣があったという。
その習慣について黒澤監督の夫人は次のように語っている。
「黒澤は休日になるたび、ひとりでせっせと自分のつめを磨いていました」
彼がなぜそうした習慣を持っていたのか、本人による説明は残ってはいないが、細部にまで徹底的にこだわる彼の姿勢から想像すれば、男性が普段あまり気にかけることのないつめを磨くという行為も、彼なりの完璧主義のひとつだったのかもしれない。
盛田 昭夫の場合
SONYの創業者の盛田昭夫さんは、初めて会ってちょっと話しただけの人でも、「また会いたい」という気にさせる社交性をもっていた。
盛田昭夫さんは独自のコミュニケーション技術を駆使することで、SONYを世界的な大企業へと育てあげたのだった。
盛田昭夫さんがとったコミュニケーション技術とは、瞳孔をひらいた状態で相手と接することだったという。
人は好きなものを見ると、自然と瞳孔が大きくなる。
「瞳孔が大きくなっていることを相手も潜在意識で感じ取り、自分が好かれていると思い込む」
盛田昭夫さんは、人と話すときはいつでも自分の目の瞳孔が大きくなるように、話し相手のことが「好きだ」と強く思い込む努力をしていたというのである。
実際は好きでもない相手であっても、このように念じていれば、瞳孔を大きくすることができると信じていたというのだ。
この努力の成果なのかどうかまでは分からないが、盛田昭夫さんは多くの人から好かれ、事業を成功させるだけでなく、英国王室から勲章を授与するなどの多くの功績を残したのだった。
藤田 田の場合
日本マクドナルドを設立し、大企業へと育てあげた藤田田さんにはとても不思議な習慣があった。
その習慣とは次のようなものである。
「耳の裏を丹念に洗い、いつもきれいに保つ」
彼自身の信じるところによれば、耳の裏にはビジネスのツボがあり、そこを清潔にしていることによって、ビジネスセンスが磨かれるというのである。
ユダヤ教に関する著書を出版したこともある藤田田さんは、この作法をユダヤ人から学んだという。
ユダヤ人によると、耳の裏とはエネルギーの出入り口だと信じられているとのこと。
よく観察してみると、日本でも元気なご老人ほどおしぼりで耳の裏をよく拭いていることに気づいた藤田田さんは、ユダヤの信仰を取り入れて日々実行していったという。
藤田田さんはマクドナルドだけでなく、トイザらスの日本進出を成功させるなどして、巨万の富を築きあげた。
これは耳の裏をきれいにしていたからなのだろうか?真偽ははかりようがないが、簡単にできることなので、すぐに取り入れたみたい習慣である。
赤塚 不二夫の場合
『おそ松くん』や『天才バカボン』などの作品で知られる漫画家、赤塚不二夫さん。
赤塚不二夫さんはシュールなギャグ漫画を描くだけの漫画家ではなく、若き日のタモリさんを可愛がって芸能界入りの後押しをするなど、他人に優しい人格者でもあった。
赤塚不二夫さんはお酒の席では普段あまり付き合いのない人と話すことを好み、決して他人の悪口を言うことがなかったという。
そんな赤塚不二夫さんの奇妙な習慣は、仕事のアイデアが行き詰ったときに行われていたという。
「行ったことのない、ゲイバーにひとりで行く」
きっと新しいアイデアを与えてくれる、新鮮な感覚を求めていたのだろう。
仲間うちでグチを言いながらお酒を飲むサラリーマンとは正反対の行動こそが彼の創造の泉だったのだ。
シマケン【依存脱出ナビゲイター】
自らが、酒・たばこ・ギャンブルなどの様々な依存を克服してきた体験をもとに、依存脱出の手段を多くの人に伝える活動を行っている。