なぜ大相撲は変われないのか
日本相撲協会は2日、東京都墨田区の両国国技館で2年の任期満了に伴う役員候補選挙を行った。全親方による投票で理事候補選は貴乃花親方(元横綱)が落選し、副理事候補選は錣山親方(元関脇寺尾)が落選した。
落選した貴乃花親方は選挙前、日本相撲協会が公益財団法人の認定を受けながら「社会的な責任を果たすよりも協会内の事情や理屈が優先され、公益性から逸脱しているのではないかという大きな疑念を抱いております」と厳しく指摘。「大相撲は誰のものか?その公益性の意味を我々は考え直し、正す時期に来ているのではないかと思います」と問いかけていた。
多くの相撲ファンが今の大相撲の在り方に対して疑問を抱いているのではないだろうか?過去の反省を顧みない度重なる暴力事件や不祥事により、社会的な信用を損なってきた。今回の選挙結果は、それでも相撲協会は「変わる」という勇気を持つことができなかったということを物語っている。
変化させることには、勇気が伴う。私たちは現状維持という居心地の良いこの場所をできるだけ変えたくない。特に日本人にはこのような特徴が強くあるように思う。相撲協会のように伝統を重んじる組織にとっては尚更のことであろう。
前に進んでいるとは限らない。後ろに行っても、違う自分ですからね。
私たちが抱く変化に対する抵抗感は、うまくいかないことに対する恐怖から生まれてくる場合が殆どである。あたり前のことであるが、うまくいくことが分かっていれば誰もが喜んで変化するだろう。
けれど一流のマインドセットはそれとは全く異なるものである。イチローは、たとえうまくいかなかったとしても、もっと広い視野に立てば成長していると捉えることができることを知っている。だから、あえて後退することも厭わないのである。
一流にとっては「後退することも一つの進化」なのである。
最も強い者が生き残るのではなく、最も賢い者が生き延びるでもない。唯一生き残るのは、変化できる者である。
イギリスの自然科学者、チャールズ・ダーウィンがその著書『種の起源』で表した言葉であるが、自分を変化させる習慣は、生き残っていくための唯一の方法なのである。
たとえ後退したと感じられても、「私は着実に成長している」と自分に語りかけてあげよう。そのような習慣を持つ人だけが着実に成長していけるようになるのだ。
シマケン【依存脱出ナビゲイター】
自らが、酒・たばこ・ギャンブルなどの様々な依存を克服してきた体験をもとに、依存脱出の手段を多くの人に伝える活動を行っている。