イチローに学ぶ、一流の習慣づくり　vol.6　～自分内臓カメラ、正しい「ピント」の合わせ方～

自分なりの成功にフォーカスする

あなたにとっての「成功」とはどのようなものだろうか。

成功者とはいったい何を指しているのだろうか？
私たちは何のために成功を求め、何をもって成功といえるのだろうか？

お金持ちになること？
地位や名誉を得ること？

人から認められたり、羨まれる存在になること。
それが人生における成功だと考えている人も少なくないだろう。

成功にはいろいろあると思うんですけど、自分のなかで立てた目標というものを成し遂げた。そのことを成功だというのなら、分かります。でも、他人が言う成功を追いかけ始めたら、何が成功か分からなくなってしまいます。

イチロー自身は「成功」という言葉をあまり好まない。
成功という言葉には他者がどう評価するか、といった意味が含まれているからである。

人からどう見られているかを気にするあまり、自らが進むべき道を曲げている人がとても多くいる。

成果が出ていなかったとしても、自分が満足できればそれでいい。
たとえ誰にも認められなかったとしても、自分を納得させることを優先させる。
そのような生き方の先に、今のイチローがある。

誰のものでもない、自分なりの「成功」を思い描き、それを実現させていく。
イチローに学ぶ一流の在り方である。

自分自身を納得させよう

「こんなに努力しているのに報われない」と感じたことはないだろうか。
人に認められることに気持ちが向いていると、このような思いが心を支配してしまうこともある。

実は「努力」には２種類ある。
一つは「誰かに認められたいから頑張った」というものと、「楽しいから頑張った」というものである。

「今の仕事には満足していないけど、かといって自分が何がしたいのか分からない」という悩みを抱えた人が数多くいる。
こうした人たちは完全に「楽しむこと」を忘れてしまった人たちである。

自分以外の人がつくる状況によって、自分が幸せに感じられる、うれしく感じられるとは思わないんですよね。自分が何かをやることによって、自分が幸せを感じるならば分かるんですけどね。

イチローは心の底から野球を楽しんでいて、とことん野球に幸せを感じている。

自分の内側から湧き出る関心、目的意識に突き動かされた仕事は、「やらされている」仕事とはまったく違うものである。
一流のマインドセットとは、常に内側から湧き出る関心や目的意識に突き動かされたものなのである。