小さな積み重ねで本当に成功できるのか
少し以前の話題になるので、ご存知の方も多いことと思うが、貧困撲滅に取り組む国際NGO「オックスファム」が2017年1月15日に発表した報告書によると、世界で最も裕福な8人が保有する資産は、世界の人口のうち経済的に恵まれない下から半分にあたる約36億人が保有する資産とほぼ同じだったという。
その8人は以下の通りであるのだが、私は別にAmazonで買い物をするべきではないとか、Facebookを使うべきではない、ということが言いたい訳ではない。私自身、よくZARAで買い物をしたりしている。
1位:ビル・ゲイツ(マイクロソフト社創業者)
2位:アマンシオ・オルテガ(スペインの実業家。ZARA創業者)
3位:ウォーレン・バフェット(投資家)
4位: カルロス・スリム・ヘル(メキシコの実業家。中南米最大の携帯電話会社アメリカ・モビルを所有)
5位:ジェフ・ベゾス(Amazon.com創業者)
6位:マーク・ザッカーバーグ(Facebook創業者)
7位:ラリー・エリソン(オラクル創業者)
8位:マイケル・ブルームバーグ(前ニューヨーク市長)
私が言いたいのは、あなたの持つ「成功」の定義にはきっと経済的な成功も必要不可欠であるにもかかわらず、それがどの程度の大きさを必要とするのか具体的にイメージしできておらず、そのイメージに押しつぶされそうになっていないだろうか、ということである。
つまりこういうことだ。あなたはきっと「成功」したい。今よりも多くの収入を手に入れ、たくさんの仲間にも恵まれ、自分の好きなときに好きなことができるようになりたい。そう願っているだろう。けれど、毎日のように残業をしても大して生活の質は変わらない現状のなか、「成功」をイメージすることに疲れてしまっているのではないだろうか。
いま小さなことを多く重ねることが、とんでもないところに行くただ一つの道なんだというふうに感じていますし、激アツでしたね、今日は。
2004年10月1日、ジョージ・シスラーの持つメジャー記録、シーズン257安打を抜いた試合後のインタビューでのイチローの言葉であるが、あんなに偉大なイチローでさえ、小さなことを積み重ねることでしか大きな成功を収めることができないなんて、なんて残酷な世の中なんだろうかと思う。
だれもが壮大な夢を描くが、大抵の場合、その夢が実現することはない。そいまの自分と夢をつなぐ唯一の架け橋はあなたの目の前にある一見つまらないように思える小さな作業であり、それを根気よく積み重ねることができないからだと人々は口を揃えて言う。
たくさんの人がコツコツと努力を積み重ねることを習慣化できないから困っているにもかかわらず、まるで傷口に塩を塗るように、正論を振りかざしてくる人が多いのは非常に残念なこと。もっと人生を楽しく、やる気に充ち溢れたものにすることはできないのだろうか?
僕の夢
ぼくの夢は、一流のプロ野球選手になることです。そのためには、中学、高校でも全国大会へ出て、活躍しなければなりません。活躍できるようになるには、練習が必要です。ぼくは、その練習にはじしんがあります。ぼくは3才の時から練習を始めています。3才~7才までは、半年位やっていましたが、3年生の時から今までは、365日中、360日は、はげしい練習をやっています。
だから一週間中、友達と遊べる時間は、5時間~6時間の間です。そんなに練習をやっているんだから、必ずプロ野球の選手になれると思います。そして、中学、高校で活躍して高校を卒業してからプロに入団するつもりです。そして、その球団は、中日ドラゴンズか、西武ライオンズが夢です。
ドラフト入団でけいやく金は、1億円以上が目標です。ぼくがじしんのあるのは、投手と打げきです。去年の夏ぼくたちは、全国大会へ行きました。そしてほとんどの投手を見てきましたが、自分が大会ナンバ-1投手とかくしんできるほどです。打げきでは県大会、4試合のうちに、ホ-ムランを3本打ちました。そして、全体を通して打りつは5割8分3りんでした。このように、自分でもなっとくのいくせいせきでした。そして、ぼくたちは1年間まけ知らず
で野球ができました。だから、このちょうしで、これからもがんばります。
そして、ぼくが一流の選手になって試合にでれるようになったら、お世話になった人に招待券をくばって、おうえんしてもらうのも1つです。とにかく一番大きな夢は、プロ野球選手になることです。鈴木一朗
しかし、小学6年生の鈴木一郎くんがこんな素晴らしい作文を書いていたという事実を知ると、小さな積み重ねができていない自分を目の当たりにすることととなり、ますます自己嫌悪に陥ってしまったりする。
簡単に成功を手に入れる方法
小さな積み重ねだけが「成功」へのたった一つの道だとしたら、イチローのように小学生の頃から自分の夢を理解し、コツコツと努力を積み重ねていかなければ成功を手にすることができないということになるが、それは本当のことだろうか?全ての人にあてはまることなのだろうか?
きっと、そんな訳はないだろう。あなたの周りにも、そこまで努力をしていないように見えるにも関わらず、成功を手にしている人が一人ぐらいはいるはずだ。その人たちは一体どのようにして、成功を手にしたのだろうか。
そのヒントがここにある。相対性理論で有名な天才物理学者、アルベルト・アインシュタイン。彼が「人類最大の発見」「宇宙で最強の力」とまで言ったもの、その正体が「複利」である。
「複利」とは金利の計算方法であり、元本だけでなく、前年までに付いた利子にまで全てに利子が付く計算方法であるが、実はこの力がとてつもないものなのである。
例えば、100万円を単利の口座と複利の口座にいれたとして、50年後の違いを比べてみた場合。
単利では600万円になるが、複利では1億1739万円になる。
かなり驚かれたのではないだろうか?そしてこの法則、実は金利だけの世界だけではなく、あなたの人生にもあてはまるものである。あなたの周りにいる成功者の多くは、この法則を人生に活用することによって、その立場や報酬を受け取っているのである。
金融の世界において、金利はある程度一定であり、預金残高が増えていく様子は計算式に当てはめれば分かることだが、人生に働く「複利」は人それぞれであり、その時々でもある。簡単に成果が出やすい時期もあれば、どんなに頑張っても上手くいかない時期もある。金利とは違って、人生に働く「複利」にはバイオリズムのようなものがあるからだ。
イチローのように小さな頃から途絶えることなく努力を積み重ねていなかったとしても、自分が頑張ると決めたときに努力を積み重ねることによって、あなたの人生に「複利」というとてつもなく大きな追い風が吹くことになる。
それでは、あなたが「頑張る」べき時期はいつになるのだろうか?
袖触れ合うも多生の縁
あなたが現在、この記事に辿り着き、そしてここまで読み進めてくれている理由があるとしたら、あなたには今まさに「その時」が来ているはずだと思う。私が大切にする言葉の一つに「袖触れ合うも多生の縁」というものがあるが、この世の中に偶然というものは存在しない。私とあなたが前世で関係性があったかどうかを知る由もないが、ここにあなたがいるという事実は、あなたが変化のきっかけを掴んだからに他ならないと思うのだが、いかがだろうか。
○袖振り合うも多生の縁
「多少」ではなく「多生(俗に「他生」とも)」で、「袖振り合うも多生の縁」が正しい。「多生」は仏教語で「前世」の意味。袖が触れ合うようなちょっとした出会いも、前世からの因縁によって起きるという意。「多少」では、「ちょっとした(少しの・少々の)縁」ということになる。なお「他生」も仏教語で、前世と来世の意。「袖摺り合うも多生の縁」とも。(故事ことわざ辞典より)
自分との小さな約束を守る
もしもあなたが今よりも「成功」したいと望み、でも何かにつまづき、自分には出来ないのではないかと不安に思ったりしているとしたら、安心をして欲しい。
あなたには大きな夢を抱く「想像力」があり(それが無ければ思い悩むこともないはず)、そしてあなたの人生には「複利」という自然界の法則が常に働いており、あとはただなりたい自分になるためにスタートを切ればいいだけなのである。
しかし新たな一歩を踏み出そうとするあなたに、ひとつだけ注意して欲しいことがある。「複利」をうまく働かせるためにも、小さな小さなことから取り組んでほしい。例えば、毎朝決めた時間に起きるとか、目が覚めたら必ず軽い運動をするとか、必ず脱いだ靴を揃えるでもいいだろうし、とにかく自分が決めた小さな約束を守っていく努力をしていってほしいのである。
前にも書いたとおり、人生に「複利」が働くタイミングは人それぞれである。けれどもそれを意識し、常に小さな積み重ねを習慣にしている人は、その宇宙で最強の力が働くタイミングを逃すことがない。確実に、しかも大きく、今の自分よりも成長し成功していくことができるのである。今までできていなかったからといって、チャンスが巡ってこないわけではない。今の現在地から大きく飛躍するチャンスはまだまだ訪れるのだ。
自分でやること、やろうと決めたことに対しては、手抜きをしないことです。そこで手抜きをしていたら、たぶんそっぽ向かれると思いますよ。おまえ、自分が決めたこともやれないのか、というふうに思われちゃうでしょうからね。
これもイチローの言葉であるが、調子のいいとき、やる気のあるときだけでなく、調子のいい悪いにかかわらず、あるいは、やる気があろうがなかろうが、自分と約束したことをいつものようにこなせるかどうかを大切にしよう。それこそが人を大きく成長させ、成功に導く習慣になるのである。
シマケン【依存脱出ナビゲイター】
自らが、酒・たばこ・ギャンブルなどの様々な依存を克服してきた体験をもとに、依存脱出の手段を多くの人に伝える活動を行っている。